こどもをもつがん患者でつながろう

ポニー

東京都 / 非ホジキンリンパ腫 / 不明

2024-10-19 06:24:54

akiraさんが遺してくれたもの

CP会員以外も閲覧可能

日記

『akiraさんが遺してくれたもの』

こんにちは(*^^*)

みなさんは、カミングアウトしてますか?

私は、癌になってから、病気のことを、家族以外だれにも打ち明けられませんでした。

なぜかというと、病気のことを告げる時に、泣いてしまうと思ったから。そして、相手の悲しい顔を見たくなかったから。自分の弱さをさらけ出して、相手がどんな反応をして、その後どんな態度を取られるんだろう、と考えると、…またさらに自分が傷ついてしまうような気がして…、こわくて伝えることができませんでした。誰かに告げた後、「あの人患者なんだ…」と思われたり、どこで噂されるんだろう、とか、もし亡くなった場合「あのひとは癌だったから」とか、自分の知らないところで知人たちに話されるのかな、などと想像したり。癌という病気は、まさに私の琴線で、触れたら、一気にボロボロ〜っと泣いて崩れてしまいそうな事柄だったんです。

私はある日、akiraさんに尋ねました。
いつも前向きで明るくて、誰に対しても垣根が無く、オープンにしているakiraさん。
そんな彼に聞いてみたかったんです。
そして、返信がきました。




《akiraさんからのメッセージ。原文まま。》

『まず最初にお伝えしておきますが、この問題にどれが正解はないと思います。
その上で、私なりの考えを言いますね^ ^

私は、そもそもカミングアウトと言う感覚がないんですよ!
なんと言えばいいのか?
別に風邪ひいて、いちいちこの人には言おうか?あの人には言わないでおこうか?とか考えないじゃないですか?
私の中では、風邪と癌と何が違うの?
って感じです。

また、私は顔面が麻痺したり、左目が閉じたりしてるので、見た目で何かしら病気だと一目瞭然なんで、最初に言ってしまった方が楽なところもあります。

以前の日記でも書きましたが、こちらがあっけらかんと話してたら、それほど変な対応はないですよ^ ^

と、そうは言っても、おっしゃられるように、可哀相な人!みたいな目で見る人もいますよ^ ^
でも、そこは気にしない。そのまま会話を続ける(笑)

続きは、後ほど
ちょっと用事が


akira 』


『あとですね、これ!いつか日記で書こうと思ってるのですが…
凄く人に失礼と言うか、本当に謝りたい事がありまして…

これは、まだ誰にも話した事ないのですが…
多分、あれは学生の頃か、社会人になってすぐぐらいの若い頃の出来事です。

とある、ホームセンターで買い物をしてた時の事でした。
人が少ない店舗で、ぶらぶら商品を見てた時の事です。

とある売り場で、私の前に車椅子の男性がいたのですが…

その方の容姿があの映画で有名になった、エレファントマンのような容姿だったのです。
私は恥ずかしながら彼を正視出来ませんでした。
その場を去ってしまったのです。

彼はどれだけ心を傷付けられた事でしょうか!
しかし、彼はそのような容姿でも堂々と陽のあたる世界に出てきて、生きていました。

あの時の、罪悪感は今でも拭えないぐらい私の胸に突き刺さっています。

だから癌になって思うんです。
別に哀れな人を見るような目で見られようが、心ない言葉を投げかけられようが、あの時の私の、彼を見る目や、その場を逃げるように去った行動を思えば、なんて事ないって…

もう彼に会って謝る事は出来ないけど、私も同じような境遇(私なんか彼の辛い思いを思えば大した事ないが)になっても、それを受け入れて、笑顔で返せるぐらいになったら、少しは以前の私のような人が減るのかな?と思って、私は誰にでも隠す事なく癌の事を伝えています。

私の考えや行動が正しいかどうかは分かりません。
ただ、私はそのように思っていることだけお伝えしますね^ ^ 』

『私ね!中学の同級生と、今でも仲良くしていて、以前同窓会をキッカケにクラスで(その時参加した)グループLINEしてるんですけど、そこでもこの前の日記と同じ内容を送りました
流石に内容が重過ぎたのか、最初、どう返事していいのか分からなかった!とかしばらくしてLINEがあったりしましたけど(笑)

でもね、新聞やニュースで聞く癌の話しと、同級生がリアルタイムで伝える癌って、受け取る側としては全然違うじゃないですか!

私が伝えてる事で、少しでも健康に気を遣ってくれたりしたら嬉しいでしょ?

私は講演とか、そのような発信はしてないのですが、自分の身近な人には伝えるようにしています


あと、どう思われるか気にならないか?って質問ですが、これは訓練でクリア出来ると言うか…
私、一応小さいながらも会社を経営して20年以上なんですね!

そりゃスタッフさんは、好き勝手言いますよ!
私の事だって何を言われているか?
でも、そんな事いちいち気にしていたら経営なんて出来ない。
こうだ!と言う理念と言うか、想いと言うか、それを信じて突き進むのみなんですね

そうして残ったのが、今のスタッフさんです。
全員に分かってもらう事は出来ない、でも、必ず分かってくれる人が自分の周りに現れてくる。
もし、そうじゃなければ、まだ自分の努力が足りないだけ。

癌の事でも、告知して100人が100人最初から全て理解してくれる事なんてないですよ!
でも、たとえ10人でも理解してくれたら、それが20人、30人となっていきます。

まぁ、そんな感じですかね!

私の拙い経験ですが、ほんの少しでも、お役に立てれば幸いです 』

《全文終わり》


こうakiraさんは仰っていました。

このメッセージをもらってから、私はとても考えました。
そして、本当の自分の気持ちに気づいたんです。
『本当は理解者がほしいと思っている』
という気持ちに。
私は、キャパオーバーで、こわがってばかりで、勇気が出せなかったんだと気づきました。そして、日常生活を送る中で、体調が悪いことが多く、何かあったときのことを考えて、周りに伝えておいたほうがいいのではと思い始めました。

それからは少しずつ、自分から人に、歩み寄ろうと思いました。

信頼している友人に、はじめてカミングアウトした時、やはり泣いてしまいました。その後は、子どもの学校の先生たちにも伝えました。
伝えていくうちに、不思議なことに、慣れていくんですね(笑)
話しても泣かなくなりました(笑)
今、現在は、信頼するママ友数人と、保育園のママ友たちにカミングアウトしてあります。
ついでに、外出先で出会った見知らぬ人達にも軽い感じで話せるようになりました(笑)

ここまで来るのに、ずいぶん長い時間がかかりましたが、カミングアウトする勇気がでたのは、akiraさんが、背中を押してくれたおかげです。

akiraさんの、癌と風邪、という部分は、良いカルチャーショックを受けました!(笑)

なぜ今回、この記事を投稿したのかと言うと、
『エレファントマン』
の部分を載せたかったからです。

『あとですね、これ!いつか日記で書こうと思ってるのですが…』

akiraさんのこの言葉が、
ずっと心に残っていました。



akiraさ〜ん!
載せたよ〜!
CPのみんなに伝えたよ〜!

無断だけど、akiraさんなら笑って許してくれるよね…?

え?牛丼で手を打つって?(^^ゞ


akiraさん、
本当にどうもありがとうございました&ありがとうございます!



中々、投稿が出来ずにいましたが…、
一周忌を過ぎて、
ようやく投稿することができました。

ここまで長々とお読みくださった方々、ありがとうございました。

乱筆乱文失礼いたします。

  • ケロちゃん

    ポニーさん、akiraさんの言葉を伝えて頂き、
    ありがとうございます。
    akiraさん、楽しい方でしたね。尊敬できる生き方でした。
    お子さん達に「お父さん、いつも笑ってたね」と覚えていて欲しい
    とおっしゃっていたことがすごく印象に残っています。
    akiraさ~ん、みんなで飲んでますか~?
    こちらはみんなそれぞれの場所で、頑張ってますよ!見守っててくださいね😊

    2024-10-21 10:48:24

    gif/jpg/jpeg/pngファイルをアップロードしてください。

    写真を取り消す

  • ポニー

    ケロちゃん、こんにちは😊

    akiraさん、本当に素敵な方でした。

    いつも笑顔って、なかなか難しいけれど、それを自然とできるakiraさんは、すごい人だったんだなぁと、改めて感じました。
    ケロちゃん
    教えてくださり、ありがとうございます。

    2024-10-22 09:45:58

    gif/jpg/jpeg/pngファイルをアップロードしてください。

    写真を取り消す


コメントの編集

gif/jpg/jpeg/pngファイルをアップロードしてください。

写真を取り消す

Copyright © 2016-2018 Cancer Parents. All Rights Reserved.