2017-03-18 08:49:29
ガン患者、家を買う?4
日記
2週間後、僕らはファイナンシャルプランナーの元へ向かった。
天候は晴れ土曜の朝10時、都心はまだ静かな時間。玄関で快く迎えてくれた。「お久しぶりです。」と挨拶をし、すぐにスタート。
家計の状況はすでに伝えている。
まずは、僕の病気の状況でどんなシミュレーションをするかだ。
病気や職場復帰などの状況を考え、2種類で分析する事にした。
まずは、あと5年生るパターンA。
おめでたい事に東京オリンピック・パラリンピックも楽しむ事ができる。
もうひとつは今年、旅立つパターンB。
残念ながらスターウォーズの終わりを見ることが事ができないパターンだ。
その2パターンで、賃貸。マンション購入。一戸建て購入の場合、6パターンをシミュレーションする。
まず、購入する住宅価格の予定価格。話を伺うと妻の職場に近く、広さを確保した場合の物件。僕らの希望を考え、実際に募集がかかっている住宅の相場をみてみる。もちろんピンキリ。
しかしここで、ファイナンシャルプランナーから
「中古物件ならば耐震基準の変わった2000年以降を選ぶべき」とのアドバイス。
「おお〜、さすがプロ、目の付け方がシャープだね。」とは言わず、わかっていますよと言わんばかりの「ええ、そうですね。」と知ったかをしてみる。
「オシャレにリノベーションされた、築年数のたった中古物件は、将来住み替えをするつもりの方が買った方がいいと思うので、あまりオススメできません。」
ギクリ、僕はオシャレリノベーションした古い物件のリビングでソファーに座り、ボーダーシャツで村上春樹の短編を手にコーヒーをすする。もちろん、BGMはオザケン。そんな未来を思い描いていた。図星である。
「あ〜そうなんですか〜」今度は思わず声に出してしまった。
結局僕らの希望の物件は4千万円〜5千万円の物件になる。二人で想定していた金額とは、常磐ハワイアンセンターとハワイほどの開きだ。
そして住宅購入資金は二人の貯蓄から計算して800万を想定した。
さて、情報はそろったシミュレーション結果はいかに。
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「結果を申しますと、どの物件を選んでもいけるでしょうね。」
賃貸、4千万のマンション、5千万円の一戸建てを買った場合
パターンA、パターンBともさほど多きな変わりはない。妻が77歳を迎えたときどれも生活できるは資産は残る。
思ったよりよい結果が出た。知らなかったのは、住宅ローン減税が10年間適用される事。さらに僕が亡くなるとすぐに遺族年金の支給が始まる事だ。なんという無知っぷり。今日は勉強になる。
結果として意外にも残る金額は賃貸が多かった。
しかし、妻は僕亡き後や子供が働き出すとき、ダウンサイジングの住み替えが必要で、最後は家賃8万円ほどの1人暮らしになる想定。
「ちょっと寂しいですね〜」実感のこもった感想が妻から漏れる。
「金額は賃貸が多く残りますが、マンション、一戸建ては物件という資産も残りますから、賃貸が一番少ないとい事になります。」
ハイ、賃貸消えた。資産が一番残るのは一戸建て。そしてマンション。
しかし一戸建てならば、今よりも郊外に、おそらく23区から出ることになるだろう。そうなると車だって必要になるかもしれない。
「一戸建てより、マンションの方が安心」と妻は言う。
確かに女性ふたりとなるとマンションの方が防犯面では安心だろう。駅からも近い物件を選ぶことができる。それに宅配ボックス、24時間のゴミ置き場など利便性は格段にあがる。とファイナンシャルプランナーが付け加える。
この時、自分たちの目標が決まった。
「夢にときめけ、明日にきらめけ、目指せ!4千万円代の中古マンション」
診断開始から4時間後、ハイテンション気味になる僕らにひとこと、
「絶対、絶対に値引き交渉をするのを忘れないで下さいよ!!」
ありがとう!をしている会員
コダック
先ずは目標の決定、おめでとうございます。
ここでルーキーズの名言がくるとは!
住宅という人生最大の高額商品の購入時は、金銭感覚が麻痺します。
十万円単位の金額が気にならなくなり、これくらいなら良いか!となってしまいますが、後悔しないためにも値引き交渉は必須ですよ。
2017-03-18 15:20:03