2017-04-07 11:29:29
ガン患者、家を買う?9
日記
これまで4件の新築物件を見に行った。
A、 郊外の大規模開発マンション 間取り◎ 立地△ 初めての土地
B、 妻の職場に近いマンション 間取り× 立地△ 少し知っている土地
C、 以前住んでいた町のマンション 間取り× 立地△ 値段高い
D、 今の生活圏内のマンション 間取り○ 立地◎ 少し狭いかな・・・
4つを簡単にまとめるとこんな感じになる。
まずBとCは落選として、今の所AとDの二択になる。
ここで妻と最終検討に入る。
僕は、長い目で見ると、初めての土地といえど住んでいるところと同じ区内で施設も充実しているAかなと思う。
「どう思う?」
「どちらも一長一短で難しいな〜」
2日後・・・
「どう思う?」
「どっちもいいところあって難しいな」
3日目
「どう思う」
「う〜ん、難しいね〜」
こんなやりとりが続いた。少しハッキリしない事にイライラしている。
妻の性格は優柔不断。例えば出かけたときのランチでそばとパスタどっちがイイと聞いてもても、あまりハッキリと答えが返ってこないタイプ。
さらに周りの意見や情報にブレブレで定まらない時もある。僕も決めかね、2つの店の混み具合を見にそれぞれの店をまわっていると、
途中で空腹を強く感じイライラし始める。そしてなぜか僕への当たりが強くなるタイプ。事物は決めて欲しいらしい。
しかしそのわりに大胆な事もある。昨年歩けなくなったとき僕の入院は約3か月に及んだ。退院のきっかけは妻だった。
「家に帰ろう!!」
「でも家は2階だし、どうやって生活する?」
「大丈夫、大丈夫何とかなるって」
そう言われ退院し家に帰ると、車いすや手すりなど介護用品が手配済みだった。
決断すると早く行動力もある。
僕と言えば、病気になる前は「ケ・セラ・セラ なるようになるさ」で楽天的で行き当たりばったり。
会社までの定期も買ったことがなく、いつも気分次第でいろんな経路を使って通勤したり、寄り道を楽しんでいた。
しかし病気が進行すると、準備って必要だなと感じ、出かけたらこの道を通りここでごはんを食べてと計画を立てるようになった。
主治医からも「なんか性格変わったね〜」と言われちゃったりする。
立って歩けるようになって、少しは元に戻ったと思うが・・・。
そして4日目である。
「どう思う?」
「う〜ん、A物件は一生住み続けるタイプでしょ。Dは将来住み替えを考えると魅力的だし〜」
「え?え?どういうこと?」
戸惑ってしまった、将来僕が亡くなったあとでも路頭に迷う事無く安心して暮らせるようにと考えて物件を選んでいるのに、
妻は住み替えをするつもりなのか? ならば買う意味無くない? ていうかそのつもりなら始めから言ってよね。選ぶ基準も変わってくるし!!
強めにまくし立てるように言ってしまった。少し言い過ぎた。
「そんなこと言われたって、未来の事はわからないよ!
想像できる?私この子と二人になるのよ。そりゃ実家に帰るかも知れないし、職場だって変わるかも知れない。
不安なのよ。不安で不安で、わからないの」
ちょっと面食らった。確かに僕は妻側の考えに及んでいなかった。妻は僕の考えはわかってくれている。しかし妻が考えるのはその先の話なのだ。
ステージだけを作ろうとしている僕の考えは愚かだったのかも知れない。
しかし、最初にカチンときたこともあり、強く言ってしまった。
「やめて!!」娘である。よく見ている。
普段は夫婦で大事な話をしているとき会話に参加したいのか、「ねえ、ねえ保育園でね」と割って入ってくることが多いのに、こういうときは的確だ。
これをきっかけに、お互い冷静になることができた。
結局、ここでは結論を出すことはやめた。
この週末、実はもうひとつマンションギャラリーを予約している。
そこはAのような大型開発で施設の充実したマンション。今住んでいるところより地下鉄で4駅分都心に近づく。
ここを見て結論を出そう。
「しかし、ここお高いんでしょう?」と内心思っているが新築の持ち駒はこれが最後だ。
騒動のあった翌日、大きな声を出したせいか?声が枯れていた。
ありがとう!をしている会員
コダック
奥様の不安は、当然ですよね。
娘さんもGJです。
いっぱい悩んで、いっぱい奥様と意見交換して下さい。
優先項目を決めておくのも良いと思います。
2017-04-07 13:30:19
やまめママ
うちも棲み家をどうするか考え中なので、メガネスキーさんのシリーズ興味深いです。
おうち探しを始められたメガネスキーさんの想いも素敵ですし、夫にも見習ってほしいです。様々な未来を考えれば不安も大きいなぁ…と奥様のお気持ちも分かります。
仮の話ですが、夫の死後、そんなに早く、仕事を再開したり、こどもを毎朝送り出したり、変わらずに社会生活を送れるのか、自分がどうなっちゃうのか、私は今も自信がありません。
終末期の介護で離職するリスクもあるので、以前主治医に私がフルタイムで働く事はやめたほうがいいと言わました。総合的な負担過重という視点の方が大きいのでしょうけど。
とこんな事を書きましたが、今年は働きに出ます。家は買いませんが大きな物は買います。がんでも家族が幸せになる方法はあるはずです。
2017-04-07 18:30:18