2020-04-05 17:29:22

がんが０個

日記

2020/3/18(水)→退院27日目

２週間ぶりの通院。
今日こそ手術時に摘出した部分の生検結果が出るはず。

晴れて長女・長男ともに春休みなので実家の母に留守番をお願いして中央線。
今日は血液検査も抗がん剤もないから早く帰れるとイイなぁと思う。

が、結局のところ診察室に入るのに延々と待たされ、
予約の時間になっても呼ばれる気配もない。
久々の待ち時間に疲れ始めた頃、昼休みに会社を抜けてきた夫が合流して
ようやく診察順が回ってきた。

少し最近の様子を話した後に、いよいよ生検結果を聞く。

先生は病理から来た報告書をモニターに出しながら
「なんと、とった部分のガンが０個でした！」だって。

おぉ、なんかだいぶ良さげなことはわかるけどどうゆうこと？
っつって、先生に詳細を聞く。

・とった胸は全てをスライスし、40個ほどの小さなカケラにしてそのすべてを検査。
・今回そのすべてと、リンパ節すべてのどこにも癌細胞は目視できなかった。

つまり、
・術前にやった３ヶ月の抗がん剤がものすごく効いた。
・こんなに効くなんてめったに無い。ものすごく効いて先生も驚いた。
・現時点では、やったことに対してのベストな結果が出た。

うわぁ〜。それはすごい。ホントよかったぁ。
でも。だったらやっぱり、胸、全摘しなかったらよかったなぁ…。

って。思っちゃって。
ガンが無くなってたと言われたのに思ったよりテンション上がらなかった。
ホッとはしたけど、先生ほど、うれしそうには話せなかった。
夫は、そんな私の横にいて、一緒に話を聞いていたけどどう思ったんだろう。

その報告書を横目に見ながら、今後の話。
目視できるガンは0になったけれど、
HER2陽性の私のがんには抗がん剤ハーセプチンとパージェタを
標準投与期間である残り９ヶ月、３週に１回のペースで点滴。
私のがんは、ホルモン受容体も陽性だったのでホルモン療法も開始。
ノルバデックスを毎朝２錠、5年のむんだそうだ。

5年。長い。

しかし、自分でいろいろと考えたりしてる中で
もう抗がん剤のせいで閉経してる可能性も高いのに
まだ「ホルモン療法」しなくちゃいけない意味がよくわからず質問。
（完全に閉経してる高齢患者でもすることあるしね）

結局、閉経して卵巣からの女性ホルモンがなくなっても、
他の部分から違う方法で少〜しずつ女性ホルモンは作られるんだそうな。
その少〜しの分も作らないように止めるのがホルモン療法なんだそうです。

なるほど。よくわかった。
が。もしかして本当の本当に、今の私の体にがんが0になってたとしたら、
それらの治療もぜ〜んぶいらないんじゃん。と心の中で思う。
もちろん本当の本当に0かなんて誰にもわからないことも証明できないこともわかってるんだけど。
それでもやっぱり、３ヶ月の抗がん剤がホントにそんなに効いたなら、
手術も残りの治療もぜんぶムダじゃん。と心の中では思ってしまう。

最後にその、スライスされた私の胸の写真が載った病理報告をモノクロ印刷してもらった。
ホルマリン固定されてスライスされて、謎の色になったゾンビみたいな胸だったけど、
それは不思議なくらい、見慣れた私の右胸だった。

ニコニコの先生に見送られ、ありがとうございましたと言って退出。
夫と二人、がんがなくなったならよかったよね。よかったよ。と話す。
でも以前にPET-CTで転移がなかったと言われた時ほど盛り上がらない。
私が「でもやっぱり、じゃぁとらなくてよかったじゃんとは、どうしても思っちゃうね。」と言うと
夫は「うん。そうだよね。思うだろうね。」とだけ言った。
そうね。思うという事実があるだけだよね。今はね。しょうがないよね。
とりあえず、治療がうまくいってるということをよろこぼう。

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