こどもをもつがん患者でつながろう

c-hiho

東京都 / 乳がん / ステージ2

2020-06-07 17:15:01

#shiningwoman

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日記

2020/06/07(日)

今日は写真を撮ってもらった。

写真家の殿村任香さんのアートプロジェクトに参加させてもらったのだ。

年末にネットで新聞記事を見かけてアクセスしたヒデカさんのSHINING WOMAN PROJECT。
これは彼女自身にがんが見つかり手術するその人生の中で見つけたプロジェクトで
がんを経験した女性たちのポートレートを撮りインスタ上でどんどん発信しているものだ。

初めて見た時は、抗がん剤治療には慣れたものの手術に漠然とした不安を感じてたころで
この写真の人たちはみんな、乗り越えたんだな。強いな。すごいな。と思った。
そしてこんなプロジェクトを一人で積み重ねているヒデカさんを
すごくカッコイイな。うらやましいなと思った。

でもその後、自分が治療を続けて手術もして、
胸を失って傷を得たころに、またこの作品たちを見ていたら
ちょっと違う気持ちを感じた。

みんな、そんな「戦ってる」とか「強い」とかってことじゃない。
ただ、「生きることをがんばってみた結果の今この顔」なんだと思った。

写っている女性たちはがんの種類も経過もこれからも、それぞれみんな違う。
だから何か同じ達成感を持っているわけではないのだけど
ヒデカさんの言うところの「命の芯」に
「私は自分のがんに対峙した上で女として生きている」というプライドみたいなものはあるのかもしれない。

撮っている彼女もアートだとかテーマだとかいうより
このプライドみたいなものを、伝える手段があるんだから伝えなくちゃと思ったんじゃないだろうか。
彼女をカッコイイとかうらやましいとか思った時の自分は、まだどこかヒトゴトだったのかもしれない。

あの、自分にがんがあると知った時の気持ちとか、
周りの人にがんだと知らせた時の気持ちとか、
あえて知らせないままに誰かと話す時の気持ちとか。
今もふと思い出す、もう自分のがんを知る前の自分には戻れないカンジを
ここに写っている人たちはみんな経験してきたんだなと思った。

そんなことを感じながら、長女の小学校卒業写真を撮ったり
ベランダのプチトマトの成長を楽しみに写真を撮ったりしながら
3月末に自分の誕生日が来てまたひとつ歳をとったら、
私も、ヒデカさんに今の私を撮ってもらいたいなと思ったのだった。

それからインスタを通してヒデカさんと連絡を取らせてもらい、
コロナのジャマが入ったりなんかしながらも、今日ついに撮影をしてもらった。

ひさびさの東西線に乗って神楽坂の駅で降りた。
なんだか少しきれいになってるけどあんまり変わらない東西線の駅を歩くと
大学生で遊んでたころや社会人で走り回ってたころを思い出して
すごく自由で活動的な気持ちになった。

改札でヒデカさんと初合流しご挨拶。
すぐにおしゃべりしながら事務所に向かい、着いてからも色々とお話しした。
私たちは、歩んできた道も今いる場所も全然似てないけど
なんだか共有できる気持ちが多くて、いくらでも話してられそうだった。

いつまでも続けてしまいそうなおしゃべりを一旦やめて撮影へ。
ヒデカさんの城である事務所で
大きくてきれいなプロのレンズが私に向いている。
レンズってこっちから見るとなんか不思議な物体だな…なんて思いながら撮られている。
これがヒデカさんの作品なんだな。そして私はそれに参加してるんだな。
ヒデカさんは照明や自分の立ち位置を変えつつ、私への指示はほとんどなくどんどん私の写真を撮っていった。

撮影の間も終わってからも、二人でしゃべって笑って、
ホントこのまま飲みに行こうよ!って感じだったのだけど
今日のところはまだ東京アラートなるものも出てるし渋々解散。

暑い中帰宅してインスタを見ると
SHINING WOMAN PROJECTに私の写真が上がっていた。

自分のポートレートをこんなふうにじっくりみたのは初めて。
初めてみるけど、確実に私だ。
胸も無いし髪もものすごく短いが、確実に私だ。
これが私なんだ。

信念のあるプロジェクトに参加できて、心からうれしい。
このプロジェクトはこれからも続く。もっと育つ。
たくさんの人に彼女の信念が伝わって、近い未来に社会を少し変えてくれることを願っている。

https://instagram.com/shining_woman_project?igshid=6de24gd4g2ne


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