こどもをもつがん患者でつながろう

hananagi

長野県 / 大腸がん / ステージ3

2018-03-12 20:20:23

CT検査の被ばくについて。

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日記

皆様の日記を読み、抗がん剤の副作用などの経験を参考にし、
頑張る気持ちをたくさんいただいています。

その中で、定期検査などで何度もCT検査を行っている方の日記で、
放射線の被ばくを大変心配されているのを拝見し
診療放射線技師を職業としているものとして、
少しでも安心して検査を受けていただける様に、
まとめてみたいと思いました。

長いですし、間違っている事があると影響が大きいなと思いつつ、
Wordでチョコチョコとまとめて、
推敲して、大丈夫かなと思ったので投稿します。


[CT検査における被ばく線量]

CT検査はX線を人体に照射して、
身体に入る前に出した放射線量と、身体を通り抜けた後の放射線量から、
画像の白黒を決めるCT値という数値を計算して画像を作成します。

CT検査で照射するX線の量は、
患者の身体的要因(撮影範囲、体格、年齢)や装置性能(一般論としてですが、最新装置は低線量で高画質)によって大きく異なります。
やみくもに線量を減らすと診断にそぐわない低画質な画像になってしまい、
増やしすぎると画質はある程度まで良くなりますがそれも限界があり、
それ以上は不必要な被ばくにしかなりません。

そこで、
世界的にはWHO、ICRP、IAEAなどの国際機関が、
日本においては放射線医学総合研究所、日本放射線技術学会、日本放射線技師会など、
放射線を取り扱う関連学会や職能団体において研究活動が行われ、
医療被ばくの最適化を行っています。

近年では、検査する部分によっておおよその目安が活用されています。
これを診断参考レベル (Diagnostic Reference Levels;DRLs)といいます。
参考資料:http://www.radher.jp/J-RIME/report/DRLhoukokusyo.pdf

簡単に言うと、
この部分を撮影するには、この位の被ばく線量であれば、
診断するのに問題無いと思われます、という値です。
単純な平均値ではありませんが、一般的に多くの病院で用いている線量となります。

検査の種類や検査目的によっては、
高画質な画像が必要であるため線量を多くする場合もありますし、
装置の性能が非常に高い場合は、低線量でも診断に影響がない画質の画像を得られる、
という場合もあります。
こうした様々な要因で検査による被ばく線量が決まるのですが、
患者にとって不利益となる被ばくにならぬ様に、
最適化された基準を設けて検査を行っています。


私の職場でも後輩がX線CT専門技師資格を持ち、
DRLsを参考にして放射線量の基準を設定しています。
(今更ですが、私は主にMR検査専門です^^;)

絶対とは言えませんが、
現在は多くの施設でDRLsを参考にしてCT検査を行っていると考えられます。
各疾患の診断ガイドラインでも、
CT検査によって不必要な被ばくが無い様に、
検査スケジュールを設定していると考えられます。

また薬の効果判定などにより、
被ばくのデメリットよりもCT検査による診断のメリットが高いと医師が判断した場合には、
短い間隔でフォローする検査が必要になる事もあります。

2014年のデータですが、
日本は、単位人口当りのCT装置台数は世界で第一位です。
それに対して、CT検査件数は第6位です。

これらの結果から、
日本においては諸外国と比べて、
いつでもどこでも検査が受けられるというメリットがあり、
患者さんの状態にあわせて、必要な時に必要な放射線量で、
被ばくのリスク管理を行いながら検査を実施している、
と考えています。


でも、やっぱり不安になりますよね。

少しでも不安な時は、
検査担当者に遠慮なく不安な気持ちを伝えて、
説明を聞いた上で、安心した状態で検査を受けて欲しいと思います。
安心して検査を受けてもらう為の心の準備も、
診療放射線技師の大切な仕事の一つだと思っています。


そんな私ですが、術後1日目の朝に、お腹の写真をベッド上で撮影する時に、
背中に入れた板の痛さが想像以上で、
板を入れた後に、機械を操作し放射線の出る範囲を微調整しているのを見て、
「そんなのはいいから早く撮って板を外してくれ!」と、
心の中で絶叫していました;;

実際に身体がキツイ時でないとわからなかった、大切な経験です。


以上、まとめましたが、
厳しいご意見等も含め、
何でもご意見をいただければ幸いです。

  • kuro81

    私の友だち(健康な方で看護師さん)にも被爆を極端に怖がる人がいらっしゃいます。
    レントゲンのたびに被爆手帳にどれぐらいの被爆をしたか記録してるそうです。年に一回の健康診断のレントゲンも断るほど…。
    内部照射した私なんかが近寄ったらあかんな~と最近は距離を置いてますが、病気になった時どうするんだろうと思ってます。
    常在菌を恐れる潔癖症の症状に似てるなと最近思います。

    2018-03-12 22:25:44

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  • hananagi

    ※投稿後に一部修正

    日記を拝見いたしました。
    I131内用療法を行ったと思います。

    I131はベータ線源なので、周囲に影響を与えるほど放射線が拡散する事は無いです。

    治療前に説明を受けていると思いますが、
    放射線が届く距離は、最大でも0.5mm程度、
    半減期(放射線を出す能力が半分になる時間)も8日なので、
    治療終了後に周囲の方に影響を与える事は無いです。
    ただ、法的な制限により治療期間に専用の治療室を必要とします。
    近年は、段階的に緩和されはじめていますが十分とは言えない状況です。
    この点は他の内用療法との相違も検討課題となっています。

    被ばくに適切に対応する事は良い事だと思います。
    被ばく手帳に記録したり、高度に電子化された病院では、
    撮影した情報が自動的に電子カルテに記録されて被ばく情報管理が行われています。

    なので、お友達の気持ちは決して間違ってはいません。

    ただし、健康診断の胸部X線撮影は労働安全衛生法で規定されており、
    看護師で医療施設に従事している場合は、
    実施が義務となっている対象者である可能性が高いと思います。

    がんは自然発生する確率があり、
    被ばくはどんなに少ない線量でもその確率を上げるという考え方(LNT仮説)が、
    安全管理の面から現在の主流ですが、
    具体的な値としては、100mSv(胸部単純の数百回分)以下では、
    自然発生率を増加させる根拠が得られていません。

    不確定要素があり、気持ちの問題も大きいので、
    リスクとベネフィットを法律の範囲内で、
    個人の責任で判断するしか無いと思います。


    また、別件ですが、今年度にPTA副会長をしており、
    想像以上に役務が多いことや、
    後半は迷惑をかけてしまった事もあり、
    今後に向けて、役務の削減や役員数の削減を提案したいと思ってます。
    少子化が進み、負担増加は明らかですし。
    また、免除規定に疾患条件も必要だと思ったので検討してます。

    「こどもが嫌な思いをするかもしれないが良いかと聞かれました。」
    この発言自体、ありえない。
    子供の為のPTAなのに、子供が嫌な思いをする事を容認するって。
    別け隔てなく子供に対応しないのならPTA自体必要無いって思うわ?

    本文に増して長々で、溜まってるのかなあと反省?

    2018-03-13 01:12:03

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  • kuro81

    要はバランスかなと思います。
    レントゲンを避け、病気の発見を遅らせてしまったり、適切な治療を受けられなかったりするリスクと被爆のリスクのどちらをとるか。
    被爆を恐るあまり、命を落としてしまっては元も子もありません。
    まあ、私が一番嫌だなと思うのは彼女が震災と私の甲状腺がんを結びつけて反原発の話に発展させることなのですが。

    PTAの件…
    嫌な思いをしてる方は沢山いらっしゃるけど軋轢を避けて引き受けてしまう方も多いことと思います。
    特に母親のネットワークは怖いなと…
    味方につけてしまえば頼もしいのですが、そこまでの関係性を気づくのは毎日送っていかない小学校では難しいなと実感してます。
    幸い、社交性が極めて高い長女は友だちも多くて、友だちのお母さんを私に紹介してくれたり、遊びに行った先で私のことやPTAの件を聞かれた時もきちんと説明してくれたりしているようです。
    すんごい助かってるし、そんな長女を周りのお母さん方もフォローしてくださり、PTAの件は退会できたあとも今のところ長女はうまく立ち回ることができているようです。
    とここまで書いてて、うちの子すごいな!って改めて思いました(笑)
    勉強も運動もイマイチですが、友だちが多いのはそれだけで財産ですね。

    2018-03-13 12:57:07

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  • hananagi

    バランス、大切ですよね。
    反原発も、原発を止める代わりに火力発電に多くを頼っているのに、
    発電コストや温室効果ガスの排出量の増加という悪影響はあまり語られませんし、
    総発電量はほとんど減っていません。
    原発は嫌だけど節電も不便だから嫌だって言う人が多いんじゃないでしょうか。

    抗がん剤も似ているかなあ。
    先日仕事復帰しましたが、勤務開始直後に嘔吐してしまい、
    家で扱える資料だけ持って帰りました。(帰るように促されたーー;)
    でも、仕事するための減薬はしたくはないんです;;
    仕事は大好きだし、職場の皆に多大な迷惑を掛けているから頑張りたい。
    けど、一番じゃあない。

    本当は権利を最大限に活用して仕事を休み、治療に全力を注ぎたい。
    でも、それを良しとしない空気も間違いなくある。
    バランスを探っています^^;

    凄くいい子!
    僕は子育てにおいて、生きてゆく力を育てたいと思っています。
    病気になってその想いがより強くなり焦っているのか、
    叱る頻度も上がって、叱り過ぎてしまい反省したりーー;

    勉強や運動は後から着いてくる!私がそうだったから^^

    2018-03-14 13:10:40

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  • ysk

    参考までに。

    がんになる確率が上がる可能性は否定できないし、無意味な被曝は避けた方が望ましいですが、放射線よりももっと他に気にすべきものがあると思っています。

    https://www.miraikan.jst.go.jp/sp/case311/home/docs/health/1107291845/index.html

    2018-03-14 16:02:35

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    • hananagi

      この話題を、アップするか止めるか、かなり悩みました。
      おっしゃる通り、被ばくは可能な限り避けるべきですし、
      低線量の放射線被ばくでも、がんになる可能性が否定できない以上、
      「あの検査を受けなければ良かった」と考えてしまう方がいるかもしれない。

      ただ、必要以上の心配を軽減できればいいと思い、投稿を決めました。

      私は元喫煙者ですので、ご指摘は非常に痛い所です。

      色々な方のがん経験をネットでみていますが、
      中には特定の野菜に特化した食事のみを続けた結果、
      高カリウム血症になった、という話も拝見しました。

      やはり何事も、適度なバランスが大切だと思います。

      2018-03-14 17:04:51

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  • ysk

    悩ましいところですよね。
    でも、専門の視点からの有難い記事だと思いました。
    交通事故を回避するために車道から何m離れた歩道を歩くと安心するかは人によると思います。ただ、50m離れる必要はないよね?って話だと思います。

    喫煙は...
    まあしないに越した事はないと思いますが、やめたら治るとか増殖がゆっくりになるとかでもないですしね...

    食事も含めて気にし過ぎると人生楽しくないよなとは思います。
    よく言ってますが、別にがん治療するために生きているわけでもないですしね。

    2018-03-14 17:14:02

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  • kuro81

    ほんと、バランス大切ですね。

    日本の家電は優れていますし、日本人は節電意識が比較的高いので、
    あまり無駄はないのですが、やはり原発がないと経済的な点や発電量的な点でも難しいと思います。
    そりゃ原発はない方がよいです。でも電気代は安い方がよいです。理想と現実の間の着地点をどう定めるかですね。

    私も仕事は辞めたくないけれど、減薬は考えてないです。
    子育て中だし、大変だけど…仕事がないと張り合いがないというか…
    年度末かつ納品前なので、今はバランス的に仕事の方が重くなっていますが
    (そもそも時短の人間に残業させるなよ…というのもありますが)
    私も仕事と育児と治療とバランスをまだ探りつつ…ですね。

    母が栄養士のため、小さいころから比較的バランスのとれた食事をしてきたつもりですし、
    お酒も好きですがほどほど、タバコは吸いません(父は私に子どもが生まれるまで喫煙者でしたが)。
    関西の出汁文化の中で育ちましたので、食事の中の塩分もそれほど…。醤油よりポン酢が好きです。
    大阪から居を移したこともありませんので、内部被ばくも普通だと思います。
    こんな私でさえ若くしてがんになるので、医師に禁止されていること以外は好きなことしてストレスフリーを心がけています。
    がんの増殖を抑えることはできても、どうしたって甲状腺戻ってきませんしね。

    私もついガミガミ怒ってしまうことがありますよ(笑)
    ご飯食べなさい~早く学校行きなさい~お風呂入りなさい~早く髪の毛整えなさい~(長女はスーパーロングの天然縦ロール)など
    毎日何度も言わないとなかなか腰が上がりません。
    私も小さいころそうだったから、大きくなったらできるようになると思うのですが、言わずにはいれない…
    生きていく力と言えば…私は趣味が人生の大きな支えになっているので、娘たちにも姉妹で共有できて自信になるものを…と思い、
    長女は3歳から、次女は4歳から、三女はまだですが、サッカーをさせています。
    主人も私もフットサルをしているので、いつか5人で大会に出れたらいいな~と思っています。

    2018-03-15 18:16:45

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