こどもをもつがん患者でつながろう

花木裕介

千葉県 / 中咽頭がん / ステージ4

2019-07-27 09:02:05

自分は人生の敗者なんじゃないかと思っているあなたへ

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日記

ブログ記事『自分は人生の敗者なんじゃないかと思っているあなたへ』を書きました。よろしければご一読ください。

https://ameblo.jp/hanaki-yuusuke/entry-12498167789.html

(以下、本文転載)
こんにちは、がんチャレンジャーの花木裕介です。

病気になる前の10年間くらい、書店に行くと、僕はつい、自己啓発やら、成功本やら、ノウハウ本やらの棚に向かっていき、何とか今より少しでも目標に近づくための知識を手に入れようともがいていたように思います。

30代という、成長曲線を描きやすい時期だったこともあるかもしれませんし、家庭を持ったことによる責任感からくるものだったかもしれません。

いずれにしても、見えない何かに怯えながら、それらに勝たなきゃいけないという気持ちが奥底にあったのは確かです。



振り返ると、僕は学生時代から、友だちや周囲との間に、無意識に勝ち負け感情を持っていました。

「この点は俺のほうが優れている」
「この部分は勝てないけど、でも俺はそこで勝負してないから気にしなくていい」

要は、自分のプライドを守るため、さまざまな解釈をして、「負け」を認めようとしなかったわけですね。そして、負けそうになると、その相手そのものからも距離を置いてしまう。

そんな程度の人間だったわけです。

でも、事実として、昔から続けていたサッカーでも、一時はそこそこの偏差値を取っていた勉強でも、もちろん社会人になってからも、僕は事あるごとに対人では負け続けてきました。

さらには病気になったことで、健康面でも、キャリアの面でも、遅れを取ってしまいました。

でも、僕の中で、最も気になっていたことは、負けたこと以上に、勝負の土俵そのものから何度も降りてしまっていたことです。

その環境から逃げたり、言い訳できるように手を抜いたり……。

全力を尽くして負けたときのことより、やはり自ら土俵を降りてしまったことのほうがよく思い出します。後悔してるんでしょうね。結果として負けてもいいから最後までやっておけば良かったと。

例えば、夏の高校野球で優勝できるのはわずか1校。残りの数千校に所属する部員たちは必ずどこかで負けてしまうわけです。

そう考えると、本当に勝ち続けている方なんて、日本中にひと握りなんですよね。

要は負けやそれまでのプロセスから何を学ぶか。次に活かすか。

そういうことが理解できるようになってきて、ようやく僕も勝ち負けの意味みたいなものが分かってきたように思います。



当然、プロスポーツの世界などは、厳然と勝ち負けが存在し、負けが続けばクビになるかもしれないし、ファンを悲しませることになる。だから、やっぱり勝利が求められるのは理解できます。

でも、僕たち一般の社会、特に個々人にとっては何かに負けたからといって身ぐるみ剥がされるわけじゃない。

それでも残るのは、悔しさと虚しさと、そして諦め……。

でも、「やり続ければ失敗も失敗ではない」という言葉があるとおり、「やり続ければ負けも本当の意味で負けではない」と今、病気を経験した僕は思えるようになってきています。

たとえ何度負けても、また立ち直っていつかまたチャレンジすればいい。どうしても勝てない勝負だったら、別のことにチャレンジすればいい。何かにチャレンジを続けている限り、本当に負けたことにはならないんじゃないか。

そして、勝負の本当の相手は、「他者」じゃなくて、「過去の自分」と「今の自分」。

過去の自分にできなかったことができるようになっているか。

今の自分の弱さに打ち克てているか。

僕も今、つい人と比べ優越感を持とうとする弱い自分と闘っています。

でも、そんな自分に負けたくないし、自分の人生、諦めたくない。

過去の自分に胸張れる自分でいたいですよね。

綺麗事かもしれないけれど、一人ひとりが「自分自身の人生の勝者」を目指せる世の中になるといいなと思うわけです。(「世界に一つだけの花」が頭の中で流れています笑)

そして、そんなあなたのことを、僕も陰ながら応援しています。

(了)


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